ベランダ・屋上防水工事の費用相場 | 見積書の正しい見方を解説

最終更新:2024年08月14日

たてのリフォーム

執筆者

たてのリフォーム 代表

舘野 久璃洲

新卒から不動産業界で活躍し、現在は賃貸とリフォームを軸にたてのリフォームの代表として活動。年間220件の施工実績の経験をもとにお客様に最適なプランを提案。『品質至上主義』をモットーに大田区を中心としてリフォーム事業に邁進中。

たてのリフォーム

監修

たてのリフォーム 工事統括者

藤澤 典隆

全リフォームの職人手配から当日の段取りまで担当。リフォーム業界歴30年超えの経験をもとに、リスク回避と高品質な施工に定評があります。

防水工事の費用相場

結論、防水工事の費用相場は「10,000円〜12,000円/1平米」です。

これらは下記6つの項目を全て含めた金額となります。

高圧洗浄 防水面に付着している砂やホコリ、苔などの汚れを取り除きます。高圧洗浄だけでは落としきれない汚れは丁寧に洗浄することが重要です。
下地調整 既存の防水層の撤去、スクレーパー等を使用して下地を研磨して整えるケレン、古い目地処理のためのシーリング、クラック補修、ノロ引きの工程を指します。
高圧洗浄と同様に重要な作業で、ベランダや屋上の状況によっては高額になってしまうケースがあります。
材料費 防水工事には4種類あり、その工事ごとに材料費が発生します。金額は防水工事の種類によって大きく異なります。
人件費 全ての工程の作業にかかる人件費です。防水工事において人件費が高騰する場合、下地調整をどこまでやるかによって見積もりが大きく異なる可能性があります。
足場 階段等で直接辿り着けない場合に足場を設置する費用が発生します。
主に屋上の防水工事で必要となります。
諸経費 運搬費、処分費用、防水シートなど、付随して発生する費用となります。

ベランダ・屋上の防水工事の種類

ベランダ・屋上の防水工事の種類は「FRP防水・ウレタン防水・シート防水・アスファルト防水」の4種類が存在します。

FRP防水

メリット 耐久性が高い: FRP(繊維強化プラスチック)は非常に頑丈で、耐久性が高いため、長期間にわたって防水効果を維持します。
軽量: FRPは軽量であるため、建物の構造に負担をかけません。
施工が容易: 硬化が早いため、施工時間が短縮できる点も大きなメリットです。
デメリット コストが高い: 他の防水工法に比べて材料費や施工費が高くなりがちです。
下地が重要: 下地がしっかりしていないと、FRP防水が十分な効果を発揮できない可能性があります。
紫外線に弱い: 長期間紫外線にさらされると、劣化が早まることがあります。

繊維強化プラスチックを用いた防水方法です。耐久性が高く軽量であるため建物への負担も少ないです。施工が容易で硬化が早いのが特徴ですが、コストが高く紫外線による劣化に注意が必要です。下地の状態も防水効果に大きく影響します。

ウレタン防水

メリット 施工が簡単: 液体のウレタンを塗布するだけで施工できるため、複雑な形状のベランダにも対応可能です。
シームレスな仕上がり: 継ぎ目がないため、完全に一体化した防水層を形成します。
柔軟性がある: ウレタンは柔軟性があり、温度変化や建物の動きにも対応できます。
デメリット 定期的なメンテナンスが必要: 紫外線や雨風で徐々に劣化するため、定期的にメンテナンスが必要です。
施工が天候に左右される: 雨天時や湿度が高い日には施工が難しい場合があります。
耐久性が他の方法に劣る: FRPやアスファルト防水に比べて耐久性がやや低めです。

液状のウレタンを塗布して行う防水方法です。柔軟性があり複雑な形状にも対応でき、シームレスな仕上がりが可能です。ただし、紫外線や雨風で劣化しやすいため定期的なメンテナンスが必要です。また、施工は天候に左右される点も注意が必要です。

種類 詳細
通気緩衝工法 ウレタン防水層の下に通気層を設けることで、湿気を逃がし防水層の膨れや剥離を防ぐ工法です。湿気の多い下地や不安定な場合に適しています。
密着工法 ウレタン防水層を下地に直接密着させる方法です。施工が簡単でコストも低いですが、湿気が多い下地ではリスクがあります。
絶縁工法 ウレタン防水層と下地の間に絶縁シートを挟む方法です。下地の影響を受けにくく、耐久性が高まりますが、施工が複雑でコストがかかります。

シート防水

メリット コストパフォーマンスが良い: 材料費や施工費が比較的安価で、広い面積にも対応可能です。
即効性がある: 施工後すぐに防水効果を発揮するため、迅速な対応が求められる場合に適しています。
リサイクル可能: 使用するシート材料はリサイクルが可能なものが多く、環境にも配慮されています。
デメリット 施工精度が必要: シートをきちんと貼り付けないと、防水効果が損なわれる可能性があります。
継ぎ目からの漏水リスク: 継ぎ目があるため、施工ミスや経年劣化で漏水するリスクがあります。
下地の平滑性が重要: 下地が平らでないと、シートが浮いてしまい、施工が困難になります。

防水シートを貼り付けることで防水効果を得る方法です。コストが比較的安価で、施工後すぐに防水効果を発揮します。リサイクル可能な材料を使用する場合が多く、環境にも配慮されていますが、施工精度が求められ継ぎ目からの漏水リスクがあります。

種類 詳細
ゴムシート防水 ゴム製の防水シートを下地に貼り付けて防水層を作る方法です。シートが柔軟で伸縮性があり、建物の動きに対応しやすいのが特徴です。耐候性に優れ、長期間使用できますが、施工には技術が必要です。
塩ビシート防水 塩化ビニル製の防水シートを使用する工法です。軽量で耐久性があり、施工が比較的簡単です。紫外線や化学薬品に強く、環境に優しいリサイクルが可能な点もメリットです。ただし、ゴムシートに比べて柔軟性がやや劣ります。

アスファルト防水

メリット 高い耐久性: アスファルト防水は耐久性が非常に高く、20年以上の長期間にわたって防水効果を発揮することが可能です。
防火性に優れている: アスファルトは防火性が高く、火災時の延焼を防ぐ効果があります。
温度変化に強い: 高温や低温に対する耐性があり、気候変動に強い点もメリットです。
デメリット 施工が複雑: 専門的な技術が必要で、施工が他の防水工法に比べて複雑です。
重量がある: アスファルトは重いため、建物にかかる負担が大きくなる可能性があります。
匂いや煙が発生: 施工中にアスファルト特有の匂いや煙が発生するため、近隣への配慮が必要です。

アスファルトを用いて行う防水方法です。高い耐久性と防火性を持ち、温度変化にも強いため長期間の防水効果が期待できます。ただし、施工が複雑で専門技術が必要なうえ重量があるため建物に負担がかかることがあります。施工時に匂いや煙が発生する点も考慮が必要です。

防水工事の見積書で確認すべき点

「見積書を見てもよくわからない」という方のために、確認必須な3つの項目をお伝えします。3つの項目について不明な場合は、相見積もりの意味がなくなるので細かく確認しましょう。

施工会社とメーカーの「W保証」の有無

施工会社とメーカーそれぞれの保証があるかを確認しましょう。

施工会社との保証には「瑕疵担保期間」と呼ばれる「ミスがあった場合の保証について」の取り決めの契約が必ずあります。防水工事の瑕疵担保期間の平均は5〜7年程度なので、相場通りかも合わせて確認しましょう。

また、メーカーの保証の有無も確認しましょう。

実は材料をメーカーから直接仕入れずに楽天やAmazonなどのネットで材料を購入するとメーカーの保証が受けられなくなる可能性があります。

メーカー側も「楽天やAmazonで材料を購入されると保証ができません」と明記しているので、メーカー保証の有無は必ず確認しましょう。

「一式」には要注意

見積書の中に「一式」という表記が多い場合は注意しましょう。

一式という言葉で濁し、後々「一式にその施工は含まれておりません」というトラブルに発展する可能性もあるため、できる限り詳細を確認するようにしましょう。

見積書が費用相場よりも高くなってしまうケース

防水層がボロボロで雨漏りしている

防水層が劣化してボロボロになり雨漏りが発生している場合、単なる修理ではなく全面的な防水工事が必要になることが多いです。

古い防水層を撤去して新しい層を作るため、施工の手間や材料費が増加し、結果として見積もりが相場よりも高くなることがあります。

屋上の形状がデコボコしていて複雑

屋上が凹凸や複雑な形状をしている場合、防水工事の施工が難しくなります。

こうした形状には追加の手間や特殊な材料が必要になるため、施工時間が延び、結果として見積もりが高額になることが考えられます。

複雑な形状には正確な工事が求められるため、コストが上昇することが一般的です。

屋上に上がる手段がなく足場代がかかる 

屋上に上がるための手段がない場合、足場を設置する必要があります。

足場設置には時間と費用がかかるため、見積もりが高くなる要因となります。

特に高層建物や狭い場所での足場設置は、特殊な技術や装備が必要となりさらにコストが増加する可能性があります。

見積書が費用相場よりも安いケースで注意すべき点

施工内容を手抜いている

相場より極端に安い場合は施工内容で手抜いている可能性があります。

特に下地処理は8つほどの工程がありますが、工務店などの業者によって考え方が異なるため必要・不要の判断基準が曖昧です。

施工内容を手抜くことで、本来であれば10年ほど耐久性があるにも関わらず、5年でメンテナンスが必要になってしまうこともあります。

不要な施工内容を増やす必要はないですが、将来を踏まえ必要な施工内容が見積書に含まれているかは確認した方が良いです。

材料のグレードが低い

材料のグレードを下げることで見積書を安く見せているケースがあります。

見積書に材料の詳細については記載されていないケースがあり、実は見比べていた見積書の材料が異なったものを提案されていることがあります。

見積書が相場より極端に安い場合は一度確認してみましょう。

ベランダ防水工事をした方が良い劣化症状

水たまり 水たまりは排水不良や防水層の劣化が原因です。放置すると水漏れや構造材の腐食につながるため、早急な防水工事が必要です。
防水・外壁塗装の剥がれ 剥がれは防水機能が低下しています。放置すると雨水の浸入を招き、建物内部の劣化を進行させるため、修繕が必要です。
防水・外壁塗装の割れ 割れが生じると雨水が内部に浸入しやすくなります。雨水が侵入すると建物の構造が損傷するリスクが高まるため、早めの補修が重要です。
防水・外壁塗装の浮き 浮いている状態は内部に湿気がたまっている可能性があります。これが進行すると剥がれや水漏れの原因となるため工事が必要です。
チョーキングが起こっている チョーキングは防水や外壁塗装の劣化で表面が粉状になる現象です。塗膜の効果が低下しているため、防水機能が失われる前に再塗装や防水工事が必要です。
カビやコケが発生 ベランダにカビやコケが発生するのは、湿気がこもりやすく防水層が劣化している証拠です。これらは美観を損なうだけでなく、防水機能の低下を示しているため、早急な対応が求められます。

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